闘牛のルールと基本技

 各地に伝承される闘牛のほとんどが、格闘時間を無制限とし、全力で闘わせ、勝敗を決する。勝負は逃げた方が敗けとなる。

 例外は新潟県(小千谷市、山古志村)の「牛の角突き」で、勝負を決することなく引き分けとする。

 逃げると敗け、という単純なルールではあるが、余力を残しながらも戦意を失って自ら逃げる場合もあれば、相手牛の鋭い攻めをかわし切れず、竹矢来(柵)に激しく追い込まれ、劇的に勝負が決着することも多々ある。

 闘牛の技については、下図に掲げたとおり、宇和島では基本技を10種に分類しているが、例えば隠岐の「牛突き」では技を8種とし、宇和島でいうところの「ヒラ」と「横掛け」を「アゲ」と称ぶ。このように地方によって多少の異同がある。

うわじま闘牛の基本技

1.押し

土俵の中で力一杯押し合う基本手

2.向う突き

真向うから相手の頭を突き攻める


3.ヒラ

取組中相手のすきを見て横から首、前足の付根を攻める

4.横掛け

大きく横に回り相手の脇横腹を突く


5.寄り込み

土俵際で一気に相手を柵に押し込む

6.受け返し

相手の突きを待ってそれをはずして首を傾けて逆に攻める


7.もたしこみ

首を相手の頭にもたせ相手の攻め手を防ぐ

8.チャツリ

小さく角を上下して相手の頭の真向を攻める


9.さび込み

頭、のど下から連続的に相手の首前を浮かせて突く

10.もみこみ

角でキリモミ状に相手の頭を掘る様に突く