これまでにいくつもの闘牛の試合を見てきたが、牛たちが機敏に、そして激しくぶつかりあうその迫力には毎回圧倒される。
鼻息荒く、ギラギラした目で闘う牛たちを見ていると、「普段から気性が荒く、凶暴で怖い動物なんだろう」とのイメージを抱く方も多いだろう。
果たして闘牛は普段から荒々しい動物なのか!?様々な検証や調教師の方にお話をきくことで、闘牛の素顔に迫った。
闘牛大会で荒々しい雄叫びや血走った目を見せる闘牛は、近寄りがたく、すぐにでも突進してきそうな威圧感がある。
愛媛隆羽ファームの調教師・大山さんに教わりながら、恐る恐る検証を始めた。
牛舎で大人しくしている闘牛たち。
まずは・・・
●体を触ってみる
専用の道具を使って力強くブラッシング。
大山さんいわく、「牛の皮膚は分厚いので『痛いかも?』と思うくらいの強さで撫でるのがちょうどいい」とのこと。
●角を触ってみる
鋭く尖った角に触ってビックリ!
とても温かいのだ。そのせいか、思っていたよりも柔らかく感じる。
▲角はほのかに温かい
▲顔を触ってみる
【結果】
色々なところを触ってみたが、怒り出すことはなく、特にブラッシング中は、とても穏やかな目で気持ち良さそうだった。
人間は突然背後から肩を叩かれるとビックリすると思う。
そこで「牛も同じような反応をするのか?」ということで、しっぽをひっぱったり左右に大きく振ってみた。
▲おそるおそる、しっぽをひっぱる
【結果】
振り返って何が起きているのか確認できないため、多少気になる様子でお尻を動かしていた。
しかし暴れ出して蹴られるようなことはなかった。
牛は色の識別ができないらしい。
海外の闘牛で赤い布に突進するのは『色』ではなく『揺れているもの』に反応しているからだそう。
そこで、本当に赤色に反応しないのか検証するために赤色の洋服を着て牛のまわりをウロウロしてみた。
▲赤色の洋服を着て近づいてみる
【結果】
かなり長時間ウロウロしていたが、特に反応を示さず、興奮することもなかった。やはり赤色に反応しているわけではなさそう。
以上の検証より、
闘牛は怖い動物ではない。
(ただし、試合中は除く)
ゆったりした動きや、おっとりした目など、試合時とは両極端な様子がとても印象的だった。
今回は調教師の大山さんが常に牛の様子に気を配り、我々に危険がないようにと気を使ってくださった。
不注意にちょっかいを出すと暴れだす危険性があることは十分に覚えておいてほしい。